- 久々に小説をアップしました。
- 「ゼロボール」はSFスポーツ
- 小説とでも言いますか、未来を
- 舞台にしたスポーツ小説です。
- 私はスポーツドキュメントが
- 好きで、いろいろなものを読んで
- います。スポーツドキュメントで
- 面白いのは不通に見ていてもわか
- らない選手の精神面です。
- スポーツ選手はその肉体のみ
- ならず、精神も酷使しています。
- それを小説にしてみようと思い
- 立って書いたのがこれですが、
- 架空のスポーツで、さらに無重力
- ときているので描写は困難を極め、
- ほとんど思ったようには書けませ
- んでした。
- さらには、主人公の内面描写が
- 弱く存在としても希薄であり、
- 最後に主人公が活躍するに至る
- 過程もあまり納得のいくものには
- なりませんでした。
- 結局、サークルの〆切に追われ
- 適当に書き上げてしまったという
- 後悔の残る作品でした。
- みなさんのご意見、ご感想も
- お待ちしております。
- 夏の本シリーズその17
- 『ループ』
- 鈴木光司
- 角川書店
- ご存知、『リング』『らせん』の
- 続編で、これにて完結となっています。
- 内容に触れずに説明するのは難しい
- のですが、この作品は前の2冊のよう
- に直接つながっているわけではない
- です。
- どちらかと言えば、前2冊の現象を
- 全く別な視点から眺めた作品と言うか、
- 前の作品に新たな解釈を求めたものとも
- 言えます。
- 前の2作にSF的な味わいがあるとは
- 前にも述べましたが『ループ』に至って
- はすでにホラーの要素はなく、完全に
- SFの世界です。
- 評価は人によってわかれそうなところ
- ですが、私はなかなか楽しめました。
- 前の2作を読んだ人は是非、読んでみて
- 下さい。最も、文庫版が出るまでまだ少し
- かかりそうですが(笑)
- 夏の本シリーズその16
- 『らせん』
- 鈴木光司
- 角川ホラー文庫
- 昨日の予告通り、『リング』の
- 続編、『らせん』の紹介です。
- 『リング』の面白さは昨日書いた
- とおりですが、この作品もそれを
- 継承しつつさらなる広がりを見せて
- います。
- 『リング』でビデオテープの謎を
- つきとめたはずの新聞記者、浅川。
- しかし、その結論が謎の全てでは
- なかった。『リング』の謎は、そし
- てビデオテープの真の目的とは……。
- 前回の恐怖が自分の死への恐怖で
- あるなら、今回の恐怖は蔓延する
- 恐怖です。
- 一本のビデオテープが引き起こした
- 怪奇事件はやがて、人類の行く末を
- 揺るがすような事件へと発展していき
- ます……。
- 面白いのは、この作品の恐ろしさが
- 『リング』の大ヒットと一体であると
- 言うことです。
- まあ、オチをばらすことになって
- しまうので言えませんが、「続編」
- と言うことを生かした作品でした。
- 夏の本シリーズその15
- 『リング』
- 鈴木光司
- 角川ホラー文庫
- さて、映画にもなった有名作品
- の紹介です。実は私がこの作品を
- 読んだのはけっこう最近で、ここ
- から続く一連の作品、『らせん』
- 『ループ』が出そろってからなん
- です。
- 私はホラーにあまり興味がなく
- スティーブン・キングくらいしか
- 読んだことがなかったのですが、
- 『リング』はあまりに評判が高い
- ので買ってみました。
- さて、内容ですが、あるビデオ
- テープを見た男女4人が次々と
- 変死。その奇妙な事実に気付いて
- しまった新聞記者の浅川は調査を
- すすめるうちに、その恐ろしい
- 真実に巻き込まれていく……。
- というもの。実は、読んでいて
- あまり怖さは感じなかったのです
- が、科学的に書かれた設定や一つ
- 一つ謎を解いていく過程など、
- 普通のホラーにはない緻密な楽し
- みがあります。ストーリーも読者
- を飽きさせず、一気に読ませるだ
- けの力を持っており、すぐに次の
- 『らせん』を買ってしまうほど
- でした。
- さて、明日はその『らせん』に
- ついて書くつもりです。
- 夏の本シリーズその14
- 『アルスラーン戦記』
- 田中芳樹
- 角川文庫
- 「銀河英雄伝説」の作者と
- して有名な田中芳樹ですが、
- 私は氏の最高傑作としてこの
- 作品を推薦します。
- 大国として栄えるパルス王国
- は宗教遠征に来たルシタニアに
- 大敗。
- 逃げ延びたパルスの王太子、
- アルスラーンは万騎長ダリューン
- や天才軍師のナルサスなど、数人
- しかいない仲間と共に王国奪回に
- 向け、軍を起こす……。
- 典型的な物語に見える冒頭です
- が、複雑に絡み合った周辺各国の
- 思惑や多彩なキャラクターは王道
- の風格を感じさせます。
- さらに、アルスラーン自身の
- 秘密は物語を驚くべき方向へと
- 導いていき、作品をさらに非凡な
- ものへとしているのです。
- 歴史に深い造詣を持つこの作者
- らしく、いろいろなエピソードに
- 彩られたこの物語はファンタジー
- のみならず、歴史ものの傑作と
- 言えるでしょう。
7月9日
- 夏の本シリーズその13
- 『パラサイト・イヴ』
- 瀬名秀明
- 角川ホラー文庫
- さて、映画やゲームにもなり
- 有名なこの作品ですが、これは
- 「お薦め本」の紹介ではなくて、
- 「イマイチ本」の紹介という感じ
- です。
- ミトコンドリア研究の第一人者
- である生物学者、永島利明。
- 彼は事故死した妻の肝細胞を
- 密かに採取し、増殖させていた。
- しかし、その細胞はやがて変化
- を始め、やがて知性を持った新生
- ミトコンドリア生物へと変わって
- いく……。
- 私が読んだ印象ではホラーとし
- てもSFとしても今ひとつという
- ところでした。
- SFとして十分納得のいく設定
- であるにもかかわらず、ミトコン
- ドリアEVE1の能力が超自然的
- なもののようにして書かれていま
- すし、ホラーとしてみれば前半の
- じわじわと迫る怖さが後半の怪物
- 映画のような展開で台なし。
- アイディアにはかなりのものが
- あるとは思うので、現在出版中の
- 「BRAIN VALLAY」には
- 期待しています。
- 夏の本シリーズその12
- 『ヴァーチャルガール』
- エイミー・トムスン
- ハヤカワ文庫SF
- 人工知能が禁じられた未来、
- コンピューターマニアの青年が
- 作り出したアンドロイドの少女
- マギーは人間以上に優しい心を
- 持っていた……。
- この話もSFと言うよりは
- 物語を楽しむものですね。
- 最新のロボット工学やヴァー
- チャルリアリティーに取材して
- はいるものの、この話の中心は
- マギーと様々な人々の心のふれ
- あいです。
- 純真なロボットが社会に放り
- 出され、どう成長していくのか、
- それがこの物語のテーマです。
- 同性愛者や貧民などの被差別
- 者をからめ、社会問題にも言及
- するなどは少し優等生すぎるか
- とも思いますが、読後がさわやか
- な作品でした。
7月7日
- さて、今日は七夕ですがそんな
- 事とはなにも関係なく……(笑)
- 夏の本シリーズその11
- 『ハムスターの
- 研究レポート』
- 大雪師走
- 偕成社ファンタジーコミックス
- ハムスターの魅力が満載のこの
- 本ですが、なんといっても一番
- かわいいのは彼らのバカな所で
- しょう(笑)
- もの憶えが悪かったり、応用
- がきかなかったりするハムスター
- の詳細なレポートを4コマにまと
- めたこの作品を読んで、彼らを
- 飼いたくならない人はいないと
- 思います。
- 私もはっきり言って欲しくなり
- ました。が、部屋が狭いのと外出
- が多いのと、これ以上趣味を増や
- しても大変なのとで断念しました。
- しかし、作者のハムスターに
- 対する入れ込み様は相当なもので、
- バカだバカだと言いながらかなり
- の親ばかぶりが伝わってきます。
- みなさんは動物など飼っている
- のでしょうか?
- 私はポストペットだけです(笑)
- そのうち犬など飼ってみたいと
- 思っています。
- 夏の本シリーズその10
- 『炎の転校生』
- 島本和彦
- 小学館
- さて、夏の暑いときに熱い
- 漫画の紹介です。
- 世の中には数多くの漫画家が
- いますが、これほどの熱血さを
- 誇る人は他にいないでしょう。
- 彼の作品の熱血は物語の手法
- としての熱血ではなく、心の底
- からわき上がる熱血です。
- 「炎の転校生」の主人公、
- 滝沢昇はまさにその代表格と
- 言えるでしょう。
- 熱血と言っても、基本的には
- ギャグマンガです。この漫画の
- 登場人物はほんの些細なことにも
- こだわり、燃えるという習性を
- 持った人物が多く、その様子が
- 笑いを誘います。
- 物語の冒頭、遅刻した滝沢を
- 呼び止める週番の金沢。そして
- 滝沢は遅刻の理由を説明する。
- 「転校初日だから、一限が始ま
- ってから来なさいって、先生が
- 言ったんだ!」
- 「なら、先生が死ねと言ったら
- お前は死ぬのか!」
- こんなやりとりが、効果線入り
- の大迫力で書かれているのです。
- 作者の島本和彦はどうも狙って
- 書いているのではなく本気なの
- ではないだろうかと思わせるほど
- 力が入っています。
- この漫画には名台詞も多いです。
- 印象的だったのは、
- 「男の醍醐味は歯の食いしばりと
- 血のにじみよ!」
- 「ばかやろう! 9人倒しても
- 最後の1人にやられたら終わり
- なんだ!」
- (ボーリングでストライクを
- 取り損なったときの台詞)
- などです。
- 暑いときに辛いものを食べる
- ように、暑い漫画はいかがで
- しょう?(笑)
- 夏の本シリーズその9
- 『新橋烏森口青春篇』
- 椎名誠
- 新潮文庫
- 椎名誠は私の好きな作家の
- 一人です。彼のすごいところ
- は飾るところなく文章が書ける
- 事だと思っています。
- 自然体というのは本当に難し
- いもので、私などは、文章を
- 書けば書くほど本当に自分が
- 書きたいものから離れていく
- ような気がしてしまいます。
- 自然体で書けるというのは
- ありのままの自分を見せられる、
- つまりは自分に自信があったり、
- 他人の目を気にせずに自分を
- 表現できる事だと思っています。
- そういう人に、私はあこがれ
- てしまいます。
- さて、この本は椎名誠の青年
- 時代を描いたものです。
- アルバイトの日々を送っていた
- 彼が、就職し恋愛を始めとした
- 経験の記録とも言う作品ですが、
- 一筋縄でいかないのがさすが
- 椎名誠。皮肉のような本気のよう
- な文章が読み手を愉快な気分に
- させてくれます。
- 元気が出る本としてお薦め!
- 夏の本シリーズその8
- 『用心棒日月抄』
- 藤沢周平
- 新潮文庫
- この作品は「腕におぼえあり」
- というタイトルでNHKの金曜枠
- に放映されたことがあります。
- そのときの村上弘明があまりに
- かっこよかったのが記憶に残って
- います。
- 藩主暗殺の陰謀を知ってしまった
- 主人公、青江又八郎。その際に許嫁
- の父親を斬り殺してしまい、刺客
- だけでなく、許嫁からも命を狙われ
- る事になってしまう。
- 又八郎は江戸へ出て用心棒として
- 暮らしながら刺客と戦い続ける。
- しかし、その中で赤穂浪士の敵
- 討ちにもまきこまれてしまい……。
- という物語です。
- 藤沢節というのは暗く重苦しい感じ
- のものが多いのですが、この作品は
- 江戸下町の人情や又八郎の暖かい人柄
- のおかげでそれを逃れています。
- 重い運命を背負いながらもその日を
- 生きていかなければならない主人公。
- 生活の苦労にはまた、笑えるものも
- あります。
- 淡泊な剣劇描写にはやや不満も残る
- のですが、時代劇の良さがつまった
- 作品です。入門としてもお薦め。
- 夏の本シリーズその7
- 『ヴェイスの盲点』
- 野尻抱介
- 富士見ファンタジア
- 「フェイダーリングの鯨」や
- 「アンクスの海賊」へと続く
- クレギオンシリーズの第一弾と
- なる作品です。
- 「SFっぽい」だけの作品が
- 多い低年齢層向けのこの文庫
- ですが、この作品は「本格SF」
- と言っても差し支えないでしょう。
- それほどSFギミックに溢れる
- 物語なのです。
- 運送会社の社長ロイドと美人の
- 凄腕パイロット、マージ。
- 2人が訪れた惑星ヴェイスは
- 旧大戦でばらまかれた機雷に被わ
- れた星だった。
- 機雷原を抜けるために訓練された
- ナビゲーターの少女、メイと共に
- 惑星ヴェイスへ荷を運ぶため、降下
- するのだが、そこでアクシデントが
- 発生! 3人はピンチを切り抜ける
- ことができるのか?
- ストーリーは一見単純なのですが、
- 後には思ってもいないどんでんがえし
- もあり、人物、設定、物語すべてに
- 高い点数がつけられます。
- この物語を機転として、3人は様々
- な冒険を繰り広げて行きます。
- 爽快感、知的な楽しみ、軽妙な会話
- を楽しみたい人は是非、読んで下さい!
- 夏の本シリーズその6
- 『17歳』
- ボブ・グリーン
- 文春文庫
- アメリカの名コラムニスト、
- ボブ・グリーンが17歳の頃に
- 綴った日記をまとめた作品です。
- 私もちょうどその頃、この
- 作品を読みましたが、日本と
- アメリカの高校生の生活の大き
- なギャップに驚いたものです。
- どちらがいいと言うわけでは
- ないのですが、私はこの作品から
- アメリカに強いあこがれを抱く
- ようになりました。
- 「チーズバーガーズ」などの
- 著書で有名なボブ・グリーンです
- が、高校時代から日記をこまめに
- つける癖があったようで、その
- ディティールには本当に驚かされ
- ます。日々、考えることは年月に
- よって消えてしまうものかも知れ
- ませんが、こうして残しておける
- という事に感動し、私もまねして
- みた事もあるのですが、大した
- ことを考えていないとわかって
- やめてしまいました(笑)
- しかも、日記というものは後
- から読み返してみるとたいへん
- 恥ずかしいものです。
- それが出版できると言うことは
- ボブ・グリーンも昔を笑って見ら
- れるような歳になったと言うこと
- なのでしょう。
- 夏の本シリーズその5
- 『後宮小説』
- 酒見賢一
- 新潮文庫
- この作品は第一回ファンタジー
- ノベル大賞を受賞した作品です。
- 架空の国、素乾国を舞台に後宮
- へ入ってしまった田舎娘、銀河の
- 活躍を描く中国風ファンタジーと
- いう感じの内容です。
- どことなく人を食った感じの
- する不思議な世界にばらまかれた
- 人物が繰り広げる物語は、他の
- 作品にない魅力を持っています。
- 登場人物それぞれの哲学を織り
- 交ぜながら素乾国という国の歴史
- に関わっていくのですが、作品の
- 主旨はたぶんそこにはないので
- しょう。
- 後宮小説、つまり「後宮に関する
- つまらない話」は、歴史を書きたい
- のではなく、後宮という場所に生き
- た主人公やその仲間達を描写する
- ことに重きを置いています。
- 全体的にはそこはかとなく暗い
- ムードが漂う中、明るく、楽しげに
- 生きた彼女たちの物語は、きっと
- 多くの人の共感を呼ぶでしょう。