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7月22日

 久々に小説をアップしました。
 「ゼロボール」はSFスポーツ
小説とでも言いますか、未来を
舞台にしたスポーツ小説です。
 私はスポーツドキュメントが
好きで、いろいろなものを読んで
います。スポーツドキュメントで
面白いのは不通に見ていてもわか
らない選手の精神面です。
 スポーツ選手はその肉体のみ
ならず、精神も酷使しています。
 それを小説にしてみようと思い
立って書いたのがこれですが、
架空のスポーツで、さらに無重力
ときているので描写は困難を極め、
ほとんど思ったようには書けませ
んでした。
 さらには、主人公の内面描写が
弱く存在としても希薄であり、
最後に主人公が活躍するに至る
過程もあまり納得のいくものには
なりませんでした。
 結局、サークルの〆切に追われ
適当に書き上げてしまったという
後悔の残る作品でした。
 みなさんのご意見、ご感想も
お待ちしております。


7月21日

夏の本シリーズその17

『ループ』
鈴木光司
角川書店

 ご存知、『リング』『らせん』の
続編で、これにて完結となっています。
 内容に触れずに説明するのは難しい
のですが、この作品は前の2冊のよう
に直接つながっているわけではない
です。
 どちらかと言えば、前2冊の現象を
全く別な視点から眺めた作品と言うか、
前の作品に新たな解釈を求めたものとも
言えます。
 前の2作にSF的な味わいがあるとは
前にも述べましたが『ループ』に至って
はすでにホラーの要素はなく、完全に
SFの世界です。
 評価は人によってわかれそうなところ
ですが、私はなかなか楽しめました。
 前の2作を読んだ人は是非、読んでみて
下さい。最も、文庫版が出るまでまだ少し
かかりそうですが(笑)


7月17日

夏の本シリーズその16

『らせん』
鈴木光司
角川ホラー文庫

 昨日の予告通り、『リング』の
続編、『らせん』の紹介です。
 『リング』の面白さは昨日書いた
とおりですが、この作品もそれを
継承しつつさらなる広がりを見せて
います。
 『リング』でビデオテープの謎を
つきとめたはずの新聞記者、浅川。
 しかし、その結論が謎の全てでは
なかった。『リング』の謎は、そし
てビデオテープの真の目的とは……。
 前回の恐怖が自分の死への恐怖で
あるなら、今回の恐怖は蔓延する
恐怖です。
 一本のビデオテープが引き起こした
怪奇事件はやがて、人類の行く末を
揺るがすような事件へと発展していき
ます……。
 面白いのは、この作品の恐ろしさが
『リング』の大ヒットと一体であると
言うことです。
 まあ、オチをばらすことになって
しまうので言えませんが、「続編」
と言うことを生かした作品でした。


7月16日

夏の本シリーズその15

『リング』
鈴木光司
角川ホラー文庫

 さて、映画にもなった有名作品
の紹介です。実は私がこの作品を
読んだのはけっこう最近で、ここ
から続く一連の作品、『らせん』
『ループ』が出そろってからなん
です。
 私はホラーにあまり興味がなく
スティーブン・キングくらいしか
読んだことがなかったのですが、
『リング』はあまりに評判が高い
ので買ってみました。
 さて、内容ですが、あるビデオ
テープを見た男女4人が次々と
変死。その奇妙な事実に気付いて
しまった新聞記者の浅川は調査を
すすめるうちに、その恐ろしい
真実に巻き込まれていく……。
 というもの。実は、読んでいて
あまり怖さは感じなかったのです
が、科学的に書かれた設定や一つ
一つ謎を解いていく過程など、
普通のホラーにはない緻密な楽し
みがあります。ストーリーも読者
を飽きさせず、一気に読ませるだ
けの力を持っており、すぐに次の
『らせん』を買ってしまうほど
でした。
 さて、明日はその『らせん』に
ついて書くつもりです。


7月14日

夏の本シリーズその14

『アルスラーン戦記』
田中芳樹
角川文庫

 「銀河英雄伝説」の作者と
して有名な田中芳樹ですが、
私は氏の最高傑作としてこの
作品を推薦します。
 大国として栄えるパルス王国
は宗教遠征に来たルシタニアに
大敗。
 逃げ延びたパルスの王太子、
アルスラーンは万騎長ダリューン
や天才軍師のナルサスなど、数人
しかいない仲間と共に王国奪回に
向け、軍を起こす……。
 典型的な物語に見える冒頭です
が、複雑に絡み合った周辺各国の
思惑や多彩なキャラクターは王道
の風格を感じさせます。
 さらに、アルスラーン自身の
秘密は物語を驚くべき方向へと
導いていき、作品をさらに非凡な
ものへとしているのです。
 歴史に深い造詣を持つこの作者
らしく、いろいろなエピソードに
彩られたこの物語はファンタジー
のみならず、歴史ものの傑作と
言えるでしょう。


7月9日

夏の本シリーズその13

『パラサイト・イヴ』
瀬名秀明
角川ホラー文庫

 さて、映画やゲームにもなり
有名なこの作品ですが、これは
「お薦め本」の紹介ではなくて、
「イマイチ本」の紹介という感じ
です。
 ミトコンドリア研究の第一人者
である生物学者、永島利明。
 彼は事故死した妻の肝細胞を
密かに採取し、増殖させていた。
 しかし、その細胞はやがて変化
を始め、やがて知性を持った新生
ミトコンドリア生物へと変わって
いく……。
 私が読んだ印象ではホラーとし
てもSFとしても今ひとつという
ところでした。
 SFとして十分納得のいく設定
であるにもかかわらず、ミトコン
ドリアEVE1の能力が超自然的
なもののようにして書かれていま
すし、ホラーとしてみれば前半の
じわじわと迫る怖さが後半の怪物
映画のような展開で台なし。
 アイディアにはかなりのものが
あるとは思うので、現在出版中の
「BRAIN VALLAY」には
期待しています。


7月8日


7月7日

さて、今日は七夕ですがそんな
事とはなにも関係なく……(笑)

夏の本シリーズその11

『ハムスターの
     研究レポート』
大雪師走
偕成社ファンタジーコミックス

 ハムスターの魅力が満載のこの
本ですが、なんといっても一番
かわいいのは彼らのバカな所で
しょう(笑)
 もの憶えが悪かったり、応用
がきかなかったりするハムスター
の詳細なレポートを4コマにまと
めたこの作品を読んで、彼らを
飼いたくならない人はいないと
思います。
 私もはっきり言って欲しくなり
ました。が、部屋が狭いのと外出
が多いのと、これ以上趣味を増や
しても大変なのとで断念しました。
 しかし、作者のハムスターに
対する入れ込み様は相当なもので、
バカだバカだと言いながらかなり
の親ばかぶりが伝わってきます。
 みなさんは動物など飼っている
のでしょうか?
 私はポストペットだけです(笑)
 そのうち犬など飼ってみたいと
思っています。


7月6日

夏の本シリーズその10

『炎の転校生』
島本和彦
小学館

 さて、夏の暑いときに熱い
漫画の紹介です。
 世の中には数多くの漫画家が
いますが、これほどの熱血さを
誇る人は他にいないでしょう。
 彼の作品の熱血は物語の手法
としての熱血ではなく、心の底
からわき上がる熱血です。
 「炎の転校生」の主人公、
滝沢昇はまさにその代表格と
言えるでしょう。
 熱血と言っても、基本的には
ギャグマンガです。この漫画の
登場人物はほんの些細なことにも
こだわり、燃えるという習性を
持った人物が多く、その様子が
笑いを誘います。
 物語の冒頭、遅刻した滝沢を
呼び止める週番の金沢。そして
滝沢は遅刻の理由を説明する。
「転校初日だから、一限が始ま
ってから来なさいって、先生が
言ったんだ!」
「なら、先生が死ねと言ったら
お前は死ぬのか!」
 こんなやりとりが、効果線入り
の大迫力で書かれているのです。
 作者の島本和彦はどうも狙って
書いているのではなく本気なの
ではないだろうかと思わせるほど
力が入っています。
 この漫画には名台詞も多いです。
 印象的だったのは、
「男の醍醐味は歯の食いしばりと
血のにじみよ!」
「ばかやろう! 9人倒しても
最後の1人にやられたら終わり
なんだ!」
(ボーリングでストライクを
取り損なったときの台詞)
 などです。
 暑いときに辛いものを食べる
ように、暑い漫画はいかがで
しょう?(笑)


7月5日

夏の本シリーズその9

『新橋烏森口青春篇』
椎名誠
新潮文庫

 椎名誠は私の好きな作家の
一人です。彼のすごいところ
は飾るところなく文章が書ける
事だと思っています。
 自然体というのは本当に難し
いもので、私などは、文章を
書けば書くほど本当に自分が
書きたいものから離れていく
ような気がしてしまいます。
 自然体で書けるというのは
ありのままの自分を見せられる、
つまりは自分に自信があったり、
他人の目を気にせずに自分を
表現できる事だと思っています。
 そういう人に、私はあこがれ
てしまいます。
 さて、この本は椎名誠の青年
時代を描いたものです。
 アルバイトの日々を送っていた
彼が、就職し恋愛を始めとした
経験の記録とも言う作品ですが、
一筋縄でいかないのがさすが
椎名誠。皮肉のような本気のよう
な文章が読み手を愉快な気分に
させてくれます。
 元気が出る本としてお薦め!


7月4日

夏の本シリーズその8

『用心棒日月抄』
藤沢周平
新潮文庫

 この作品は「腕におぼえあり」
というタイトルでNHKの金曜枠
に放映されたことがあります。
 そのときの村上弘明があまりに
かっこよかったのが記憶に残って
います。
 藩主暗殺の陰謀を知ってしまった
主人公、青江又八郎。その際に許嫁
の父親を斬り殺してしまい、刺客
だけでなく、許嫁からも命を狙われ
る事になってしまう。
 又八郎は江戸へ出て用心棒として
暮らしながら刺客と戦い続ける。
 しかし、その中で赤穂浪士の敵
討ちにもまきこまれてしまい……。
 という物語です。
 藤沢節というのは暗く重苦しい感じ
のものが多いのですが、この作品は
江戸下町の人情や又八郎の暖かい人柄
のおかげでそれを逃れています。
 重い運命を背負いながらもその日を
生きていかなければならない主人公。
 生活の苦労にはまた、笑えるものも
あります。
 淡泊な剣劇描写にはやや不満も残る
のですが、時代劇の良さがつまった
作品です。入門としてもお薦め。


7月3日

夏の本シリーズその7
『ヴェイスの盲点』
野尻抱介
富士見ファンタジア
 「フェイダーリングの鯨」や
「アンクスの海賊」へと続く
クレギオンシリーズの第一弾と
なる作品です。
 「SFっぽい」だけの作品が
多い低年齢層向けのこの文庫
ですが、この作品は「本格SF」
と言っても差し支えないでしょう。
 それほどSFギミックに溢れる
物語なのです。
 運送会社の社長ロイドと美人の
凄腕パイロット、マージ。
 2人が訪れた惑星ヴェイスは
旧大戦でばらまかれた機雷に被わ
れた星だった。
 機雷原を抜けるために訓練された
ナビゲーターの少女、メイと共に
惑星ヴェイスへ荷を運ぶため、降下
するのだが、そこでアクシデントが
発生! 3人はピンチを切り抜ける
ことができるのか?
 ストーリーは一見単純なのですが、
後には思ってもいないどんでんがえし
もあり、人物、設定、物語すべてに
高い点数がつけられます。
 この物語を機転として、3人は様々
な冒険を繰り広げて行きます。
 爽快感、知的な楽しみ、軽妙な会話
を楽しみたい人は是非、読んで下さい!


7月2日

夏の本シリーズその6

『17歳』
ボブ・グリーン
文春文庫

 アメリカの名コラムニスト、
ボブ・グリーンが17歳の頃に
綴った日記をまとめた作品です。
 私もちょうどその頃、この
作品を読みましたが、日本と
アメリカの高校生の生活の大き
なギャップに驚いたものです。
 どちらがいいと言うわけでは
ないのですが、私はこの作品から
アメリカに強いあこがれを抱く
ようになりました。
 「チーズバーガーズ」などの
著書で有名なボブ・グリーンです
が、高校時代から日記をこまめに
つける癖があったようで、その
ディティールには本当に驚かされ
ます。日々、考えることは年月に
よって消えてしまうものかも知れ
ませんが、こうして残しておける
という事に感動し、私もまねして
みた事もあるのですが、大した
ことを考えていないとわかって
やめてしまいました(笑)
 しかも、日記というものは後
から読み返してみるとたいへん
恥ずかしいものです。
 それが出版できると言うことは
ボブ・グリーンも昔を笑って見ら
れるような歳になったと言うこと
なのでしょう。


7月1日

夏の本シリーズその5

『後宮小説』
酒見賢一
新潮文庫

 この作品は第一回ファンタジー
ノベル大賞を受賞した作品です。
 架空の国、素乾国を舞台に後宮
へ入ってしまった田舎娘、銀河の
活躍を描く中国風ファンタジーと
いう感じの内容です。
 どことなく人を食った感じの
する不思議な世界にばらまかれた
人物が繰り広げる物語は、他の
作品にない魅力を持っています。
 登場人物それぞれの哲学を織り
交ぜながら素乾国という国の歴史
に関わっていくのですが、作品の
主旨はたぶんそこにはないので
しょう。
 後宮小説、つまり「後宮に関する
つまらない話」は、歴史を書きたい
のではなく、後宮という場所に生き
た主人公やその仲間達を描写する
ことに重きを置いています。
 全体的にはそこはかとなく暗い
ムードが漂う中、明るく、楽しげに
生きた彼女たちの物語は、きっと
多くの人の共感を呼ぶでしょう。


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