1998年の日記

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8月8日

「どこでもいっしょ」
 SCIE/おはなしゲーム

 宣伝などで目にした方も多いかと思いますが、プレイステーションの周辺機器ポケット
ステーションのゲームです。
 ポケットステーションにプレイステーションから「どこでもいっしょ」をダウンロードするとポケステの中でポケピと呼ばれる動物を飼うことが出来ます。ボタンを押すと他愛のないことを話すのですが、いろいろと言葉を教えると、それを憶えて自分独自のポケピに成長していきます。
 また、憶えた言葉を使って他のポケピとしりとりで対戦したりも出来るのがなかなか楽しいです。
 ポケットステーションは軽くて小さいのでどこにでも持ち歩いて話が聞けるのが何よりの特徴。今まで使い道のあまりなかったポケステですが、僕はこのゲームのために買ってしまいました。興味があったら試してみて下さい!


7月30日

「ぼのぼの」
いがらしみきお/竹書房

 いがらしみきおの8コマ(?)漫画です。
 らっこのぼのぼのやシマリスくん、乱暴者のアライグマくんなどの生活を、ギャグを基本にしながらも鋭い視点で描いた作品です。
 ささいな事にも疑問を持ってしまうぼのぼのは一生懸命にそれを考えるのですが、決して賢いとは言えない彼なので、いつも見当はずれな事ばかり。そんなぼのぼのの様子にいらだちを憶えるのはアライグマくん。彼らのやりとりが愉快です。いじめられっ子のシマリスくんが実は一番したたかだったり、のんびり屋のぼのぼののお父さんが実は一目置かれる存在だったりと、キャラにもなかなか深みがあります。
 ぼのぼのの持つ疑問は、誰もが疑問に思うこと。しかしながら、考えたって答えの出ないことばかりです。
「大人になるってなんだろう」
「楽しいってなんだろう」
 なんとなくはわかっていても、人には説明できない、そんなもどかしい感覚が全編にちりばめられています。
 今回出たのは17巻。読み返してみると登場キャラクターのにも様々な変化があり、ストーリー漫画に近いものがあります。
 先の変化を楽しみに読み続けられるコマ漫画、というのはなかなか珍しいですね。


7月21日

 最近、あまり新しい本を読んでいないので更新していなかったのですが、考えてみれば本の紹介をするコーナーと言うわけでもないのでちょっと雑文を。
 さて、最近、かなり暑くなってきました。
 すっかり夏ですね。夏と言えば海や夏祭りと思うのですが、ここ数年、夏らしいことはなにもしていません。
 海は行ったりしたこともあるのですが、あこがれるのは夏祭りです。井上陽水の「少年時代」に「夏祭り宵花火」という一節がありますが、まさにそのイメージ。
 夜店が出る中を浴衣で歩き、花火を見たり盆踊りをしたりするようなのが夢なのです。
 残念ながら、うちの方ではそういう行事がなくて、花火も近くのオートレース場などでやるだけ。味気ないです。
 近くで夏祭りなどある方、是非、メールなどで様子を教えて下さい!


7月12日

「バースデイ」
 鈴木光司/角川書店

 「リング」「らせん」「ループ」と続いた三部作の外伝的作品です。
 「らせん」で山村貞子を産んだ高野舞が死にゆくまでを描いた「空を浮かぶ棺」
 オリジナルである山村貞子の若き日を描いた「レモンハート」
 そして、「ループ」のその後を描き、全作品の終局を描いた「ハッピー・バースデイ」
 いずれも3部作があっての作品ですが、それまでに描かれなかった人物の内面やそれまでの人生を描写しているという点で、読んで損はしないでしょう。
 しかし、3部作を読んでからしばらく時間が経ってしまっているため、余韻に浸って読むことは出来ず残念。
 3部作のファンならお勧め。
 まだ読んでいない人は、3部作を読んで欲しいです。「リング」「らせん」「ループ」は全て読む価値があります。


7月6日

「レッド・バイオリン」

 最近、映画は新宿や渋谷でばかり見ていたのですが、久々に日比谷へ行って来ました。
 「レッド・バイオリン」はそれほど有名な作品でもなかったので、日比谷シネシャンテでしかやっていなかったのです。たまたま券を手に入れて見に行ったのですが、予想以上に素晴らしい出来で、本当に満足です。
 通称「レッド・バイオリン」と言われるその名器は400年前にイタリアで作れられ、様々な時代に様々な人の手を経て現代に至りオークションにかけられます。
 イタリアからオーストリアのウィーン、イギリスのオックスフォード、中国の上海、そしてカナダのモントリオールへ。
 長い長い物語の主人公は、そのバイオリンなのです。様々な人間に渡りながらも、バイオリンは主人によって翻弄されるのではありあません。バイオリンによって人間の人生を左右するのです。孤児院でバイオリンに出会った少年はその才能に目を付けられ、ウィーンへと招かれますが、取り憑かれたような演奏によって少しずつ命を削られていきます。
 イギリスの天才作曲家はバイオリンを手に入れ、ひらめきを得て名曲を残しますが、やがて自決。中国でバイオリンを手に入れた女性は文化大革命によってそれを手放し、モントリオールで鑑定に当たった男は、そのバイオリンを手に入れたいという衝動にかられます。これは「悲劇」と言うかも知れません。
 身を滅ぼしてしまうほどの情熱というのは自分の内からだけ出るものではなく、与えられるものであり、選ばれた人間にそれを与えるのがこのレッド・バイオリンなのです。
 スケールの大きさもさることながら、素晴らしかったのはバイオリンの演奏。
 素人目にも尋常でないとわかるほどでなければ、この「レッド・バイオリン」の魔力はただの空想に過ぎなくなってしまいます。
 ですが、後半に演奏がなくなってしまうのが残念。
 ところで、この映画は「完結」していません。レッド・バイオリンはまた新たな人間の手に渡り、旅を続けるのです。この映画は、現代に到達したから終わったに過ぎません。
 400年間、世界を渡り歩いたバイオリンの旅は永久に終わらないのでしょう。


7月1日

「後鳥羽伝説殺人事件」
 内田康夫/角川文庫

 本格派ミステリー、浅見光彦シリーズの第一段です。最近は変人の探偵が出てくるミステリばかり読んでいて、本格派は久々。
 内田康夫はよくテレビドラマ化されているので、そちらで見たことはあったのですが、しっかりとリアルに書き込まれた作品であるだけに映像化しやすいのか、なかなか面白く見ています。
 さて、内容はと言えば、後鳥羽伝説を追って一人旅をしていた女性が絞殺され、捜査本部が設置されたものの捜査は難航。捜査の主要路線からはずされたベテラン刑事が、被害者の足取りを追いながら謎に迫っていく、というのが前半部分。
 警察という枠に縛られながらも地道な捜査を続けて事件を追う野島刑事はやがて、8年前に事故死した被害者の友人の兄である浅見光彦と出会い、そこから事件は急展開。
 フリーライターという職業ならではの身軽さと、持ち前の機転、洞察力によって一気に確信へと迫ります。
 ハンサムでスタイルも良く、由緒正しい家柄の出身でありながら気取らない浅見光彦のキャラクターは、変人探偵に慣れてしまった今、かえって新鮮(笑)
 最後の謎解きまで一気に読ませるだけのテンポの良さがありました。が、惜しいのはタイトルの「後鳥羽伝説」が事件とはあまり関係ないと言うこと。確かにからんではいるのですが、別な伝説であってもあまり代わりはないのです。後鳥羽伝説をひっかけた壮大な歴史ロマンのようなものを期待していた僕としては少し不満が残りました。


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