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4月16日

 今日はコミックの書感、2冊です。

「コミックマスターJ」6巻
 脚本:田畑由秋 作画:余湖裕輝/少年画報社ヤングキング
 定価:495円
 ISBN4-7859-1984-1

 これはけっこうマイナーな漫画だと思います。
 読んでる方、いらっしゃるでしょうか?
 コミックマスターこと主人公Jは伝説のアシスタントと呼ばれる男。作者の都合などで連載が上がらないとき、500万でその作品のアシスタントを引き受ける。腕は超一流でそんな画風でもこなし、仕事はとてつもなく早い。しかし、自分が認めた作家しか手伝わない……。
 どこかブラックジャックを連想するような設定。ちなみにライバルにはつまらない漫画を終わらせる男、ジ・エンドというのもいます(笑)
 漫画家、島本和彦が「燃えよペン(小学館)」という漫画で、漫画化の壮絶な日常を大迫力で描きましたが、コミックマスターJは明らかにその影響を受けたと思われる作品。
 「J」という主人公を使ってはいるものの、話の大半は漫画家や編集者を軸に展開されます。かなりオーバーな話で、コミカルに描かれていたりもしますが、出版界のあり方や漫画家の姿勢そのものを問うような話も多く、いろいろな作品を読んでいればいるほど、この作品を楽しめるでしょう。
 絵もかなりきれいで、書き込みも細かいです。作品中に様々な漫画が出てきますが、そのタッチを変えてみたりとなかなか器用。現在出ているのは6巻までです。最初に1巻を購入したときはまさかここまで続くと思いませんでした(笑)

「多重人格探偵サイコ」5巻
 原作:大塚英志 作画:田島昭宇/角川コミックスA
 定価:580円
 ISBN4-04-713328-0

 前に晴読雨読でも紹介したサイコの最新刊。
 主人公はかつて刑事、小林だった。しかし、ある事件で西園伸二という人格に入れ替わり、犯人を射殺。小林の人格が消え、代わりに現れたのは雨宮一彦という人間。
 刑期を終え、出所した雨宮は犯罪研究所に拾われ、そこで頻発する猟期殺人事件の捜査をすることになる。犯人たちは皆、左目にバーコード上の痣がある人間。そして、雨宮一彦の左目にも……。
「自分が何者なのか」という答えを探す主人公。そして彼をとりかこむように様々な人間の思惑が動く。日本の上層部にすら食い込んでいる謎の組織は、バーコードつきの人間を使ってなにをしようとしているのか?
 物語は5巻になってますますスケールアップしているものの謎はほどんど明かされないまま進んでいます。主人公の正体もあいかわらずほとんど謎。サイコ殺人者はどんどん増え、ますます混乱状態。
 いろんな謎を引っ張り過ぎと思いながらも読んでしまうのは作画の田島昭宇の絵が影響か。
 トーンなどを使ってはいるものの、基本的には「白と黒」
 リアルな絵なのにシャープな線で描く世界はどこか非現実的で、グロいはずのバラバラ死体などをそう感じさせないところが恐ろしいとも言えます。
 これからの展開に期待してはいますが、ずるずると長く続くのと、わけのわからない終わり方だけは勘弁して欲しいというのが正直なところ。

4月17日

  学生って暇だと言いますが、僕は最近、かなり時間に追われています。空き時間がほとんどないんですよ。
 特に平日は、唯一のプライベートとも言えるのがメルマガの発行とHPの更新ですがこれも合計で30分くらいです。
 去年あたりまでは割と好きな事をして過ごしていたような気がするのですが、そのツケでしょうか。
 時間に余裕があるとアルバイトなどもけっこう出来るので、お金にも余裕ができます。つまり、今の状態を俗に貧乏暇なしと言いますね(笑)
 時間と言えばけっこう気になるのが睡眠時間。僕は毎日7時間半の睡眠がベストなのですが、これって時間がなくなってみるとけっこう長居です。今、6時間にしようと計画していますが、毎日6時間睡眠にすると反動で土日にたくさん寝てしまうからやっぱり時間はないわけです(笑)
 寝だめはできないと言いますが、けっこう不思議ですよね、これは。一日完徹したからと言って、二日分の睡眠時間はいりません。まあ、起きているときでも疲労は回復していくので当然と言えば当然か。
 寝ないで済めばそれに越したことはないと言う人もいますけど、僕は寝ること自体がけっこう好きなのであまりそうは思いませんね。夢を見たときもかなり憶えているし、映画を見た後のような気分です。
 話題は変わりますが、僕の見る夢って、完全に日常かドラマ
仕立てのどちらかと決まっています。不条理なものってほとんどないですね。日常の夢って言っても生活を完全になぞるのではなく、夢の中ではまったく別 な生活をしていてそれが当たり前なんですよ。夢の中オリジナルの知人とかもけっこう出てきます。眼が覚めると顔を憶えていないのが残念ですけどね。
 たまにあるのが、寝ないでそのまま起きている夢です。寝る直前までやっていたことをそのまま夢の中でも続けるんです。
 この夢を見る時って、眠った気がしないうえに、実際は夢の中でやった勉強なんかも進んでいないので、それをやる気も失われて二重のマイナスです(笑)
 さて、今夜はどんな夢を見るでしょうか。

4月18日

  僕の大学の授業で不満な事の一つは、ディスカッションがないことです。うちは世間の流れに逆行していると言うか、大人数教育を基本としています。今日も定員78人の教室に100人近くが来ていて一部の学生は立ったままという授業がありましたが、なかなかつらいですね。僕は座れました。
 まあ、こういう体制だからこそディスカッションなどは難しいわけです。理系の学生って自分の意見を言う機会が著しく少ないような気がします。数学などには「正解」があり、試験ではそれを導き出すのが目的ですし、卒業研究もすでに結果 がわかっているものを確認するのが通常ですからね。
 英語の授業などではいろいろとスピーチの機会などがありましたが、そこだけそういう授業をされてもなかなか発言できないでしょう。そういう中でも、問題提起の好きな先生ってそれなりにいますが、学生の反応は皆無。僕自身、何か思うところがあってもそこで発言することはないから人の事は言えませんが、発言の機会があれば意見を述べてます。
 言いたいときは授業が終わった後に教壇まで行って先生と雑談というところ。
 前に読んだ北方謙三の「帰路」で、大学について書かれていた部分がありました。かつて、大学は議論をする場所だったということですが、僕の場合は議論にならずに終わってしまう事が多いです。学部の違いかも知れませんけどね。
 そう言えば、うちの学内ては政治的、宗教的な活動も見た事ないです。
 基本的に大学そのものが面白くないわけではないです。それぞれの授業がどうかは先生に依存しますけど。専門を掘り下げるというのは楽しいです。しかし、それが全体の中でどんな一を占めているのかは把握しにくいですね。
 先生の方でも最近の学生は発言に乏しいと思っているかも知れませんが、そういう機会を作れば意外とやるんじゃないかという気もしますね。1発言で5点とかにすればみんな一生懸命やるでしょうか?(笑)

4月19日

 今日は書感。

「ミステリーを科学したら」
 由良三郎/文春文庫
 定価:460円(本体447円)
 ISBN4-16-744604-9

 国内、海外の作品を問わず、ミステリには様々な要素が盛り
込まれています。特に科学捜査の発達した現代では、科学的な
知識がミステリ創作に欠かせません。
 学生時代からのミステリファンにして医学博士、そして推理
作家でもある著者がミステリを読んでいて「これは?」と思う
様な不可解な部分や、一般的に当然と思われていることへの誤
解を正確な知識に基づいて解説したのが本書です。
 ミステリは論理的であるのが当然と言えますから、ケチはつ
きやすいジャンルです。そもそも、推理作家は犯罪や医学の専
門家でないのだからかなりの下調べや準備をして創作に臨んで
もそうそう完璧なものが書けるわけではないでしょう。
 しかし、この本を読むと、様々な部分で間違った知識が流布
していることに唖然。最近の作品に限らず、名作と言われるも
のの中にも大きな誤解や間違いが潜んでいるのです。そして、
それが定番となってしまったため、さらにいろんな作品がそれ
を元にして間違いを量産するという事態も。
「本に書かれているからこう」という論法はもはや通用しない
と言ったところですね。
 さて、上記のままだとこの本がミステリの揚げ足取りをして
いるようにも思えますが、この著者はただの評論家ではありま
せん。なにしろ、本人がミステリファンで作家なのですから、
いろいろと作家側の弁護に回ったりもするわけです。また、実
際と違うからその知識が悪用されないで済む例や、変えてしま
うことによって成り立つ傑作を紹介しています。ミステリが事
実と違うのは必ずしも悪いことではないということ。
 しかしながら、ミステリで得た知識を鵜呑みにするのはやめ
ようという教訓にはなりますね。
 題名からは難しそうな印象を受けるかも知れませんが、語り
口調が軽妙ですし、著者自身のエピソードも面白く、ミステリ
を題材としたエッセイとして十分に楽しめます。

4月20日

 僕はあまりテレビドラマって見ないのですが、今期は2本、注目しています。
 一つはTOKIOの松岡主演の「ショカツ」
 警視庁のキャリア研修で所轄署に赴き、強行犯係に配属された主人公は、そこでたたき上げの女性刑事と出会う。このドラマ、明らかに題名で損しています。僕の周囲では「ショムニ」と混同したイメージを持っている人が多いです。
 キャリアと現場の対立は「踊る大捜査線」でも描かれていましたが、「踊る〜」ではキャリア組を悪役に据え、現場で働くサラリーマン刑事にスポットを当てたのに対し、こちらはキャリアである主人公の考えも十分、合理的。しかし、現場には現場の主張があり、どうわかりあっていくかが物語の焦点になっています。警察用語や組織などに対する解説も丁寧で、本格警察ドラマとして楽しめます。

 もう一つはともさかりえ主演の「君が教えてくれたこと」
 自閉症患者と元精神科医の心の交流を描く作品です。
 最近は障害者が主役として出てくる作品や、主人公が病気というものが多いような気がしますね。
  このドラマの面白いところはただ自閉症の主人公の治療を描くのではなく、主人公を通 して周囲にも悲しみや喜びと言った人間の根本的な感情を考えさせようというところ。
 ともさかりえの目線や歩き方など、細かい演技も光ります。

 僕は時代劇愛好者なのですが、今期は面白そうな時代劇がないのが残念。
 しかし、今までのドラマとは微妙に毛色の違うこの2作品が楽しませてくれそうです。

4月21日

 今日は書感です。

「小説を書きたがる人々」
 久美沙織/角川書店
 定価:1400円
 初版:1998年6月5日
 ISBN4-04-883536-X

「新人賞の獲り方おしえます」など、小説の書き方本を何冊か出している久美沙織の本です。
 この人の「新人賞〜」が他と違うのは「こうすればいい」というのではなく「これがダメ」というものを列挙すること。こうすればいいと言われてその通 りにするのではそもそもダメと言うことですね(笑)
 さて、この本は「小説を書きたがる人々」がどんな性格でどんな環境にあり、どんなものを書くのか、というのをパターンに分けて分析したものです。性格や行動など、コミカルに描かれているものの、その中には「こういう友人いるな」とか「これは自分だ」というのが一つくらいあるのでは、と思います。
 そして、その人々の書くもののどこが悪いのか、何故悪いのかという点を指摘しています。僕の様に文章を書く人間はこれを読んでうすら寒い思いをしたりもするわけです(笑)
 小説を書くのには大きなエネルギーが必要なわけです。しかし、猪突すると自分の感性だけで物を見た勝手な小説が出来てしまいます。そういうときにちょっと読んで頭を冷やすという意味ではとても実用的。割と辛辣なのでエネルギーが足りないと冷え切ってしまって二度と小説なんて書かなくなってしまうという可能性は否定できませんが。
 小説を書かない人でも、これは人間分析をした本として十分に楽しめます。そういう人は逆に自分の中に潜む創作指向を刺激されて小説を書きたくなるかも知れませんよ。
「小説家を目指す人」に対しての作者の視線は、はっきり言ってかなり冷めてます。新人賞って本当にそんな作品ばかりなのだろうかって思って驚きます。しかし、応募する方はみんな自分の作品が「そんな作品」だとは夢にも思わないから出すわけです。冷静になって自分の作品を見直す視点がないと、新人賞どころか失笑を買うだけということ。
 特に今、インターネットの普及により誰もが情報を発信する時代になっているわけです。どうせならただ発信するのではなく、読む人に楽しんでもらいたいし、出来るだけ多くの人に見てもらいたいものですよね。
 殴られて目を覚ましたい人にはいい本かも、これは(笑)

4月22日

 今日は久々に肉体労働のアルバイトをしました。
 倉庫でパソコンの箱を開け、ソフトをインストールしてまた梱包するという作業。これが、倉庫いっぱい、何百台もあるんですよ。普段はあまり動かすことないから意識しませんが、パソコンは重いです。右から左へとひょいひょい動かせるものではありませんし、精密機械なので雑な扱いはできません。
 しかしまあ、時給は高いし、アルバイトの人たちもみんな雰囲気が良かったので良し。
 僕は自分で単純作業系のバイトって好きじゃないと思っていたのですが、やってみるとそうでもなかったです。まあ、誰も喋らず黙々とやられたら嫌かも知れないですが、初対面 ながらけっこううち解けて楽しくできましたから。
 さて、単純作業でもそれを組み合わせてローテーションを組んだり流れ作業をしたりすると、頭を使うようになりますね。
 例えば流れ作業では一番遅いところに速度が合ってしまうので、誰にも暇ができないようにするにはそれぞれの過程に適切な人数を配置しなければなりません。これって学校の経営工学なんかでもやることですが、実際は2次元平面 上にそれぞれの作業場所が配置されていて、荷物を受け渡したりするわけですから、問題ははるかに複雑。作業をやりながら、こうやれば効率化できるとかいろんな事を考えて頭の中でシミュレーションするだけでもけっこう楽しめます。リアルタイムに状況の変化するパズルみたいなものですね。
 あと、時間による作業効率の低下とか、自分のミスの傾向とか他人事のように観察していました(笑)
 途中で思った事が一つ。みんなで効率を追求して一生懸命仕事をするのはいいことですが、時給で仕事をしているので実はだらだら仕事をして残業をつけてもらった方が金銭的には得をします。これって別 に時給だけでなく、会社の残業手当とかでも同じですよね。作業量ではなく、作業時間でお金が入るわけです。だから、効率的に仕事をすると同じ作業量 でも受け取る賃金は減ってしまいます。実際は昇給とかあるでしょうから違いますけど、バイトで当座のお金とか思うとちょっと話が違いますよね。
 その話をバイト中にもしたのですが、結局みんなそう思いつつも一生懸命に仕事をして予定より2時間早く終了してしまいました。
 これが日本人の国民性でしょうか?(笑)

4月23日

 書感です。

「パリダカ漂流
 〜1991死闘 砂漠への挑戦〜」
 島田荘司/芸文社
 定価:1600円
 初版:1991年4月11日
 ISBN4-87465-200-X

 憶えているでしょうか?
 1991年は湾岸戦争が始まった年です。
パリ・ダカール間9200kmを走る「世界で最も過酷なレース」は
中東、イスラム圏と欧米、キリスト教圏の緊張が高まる中開催
されています。自然環境だけでなく、政治的にも危険のあるこ
の大会に、推理小説家として高名な島田荘司がプレスとして参
加し、まとめたのがこの本。
 島田荘司は作品中でも綿密な下調べに基づき、理論を展開す
る人で、趣味もかなり広いというのは知っていましたが、自動
車評論家としても活動をしていたとは初耳。驚きました。
 前半はパリダカラリー開催前に立ち寄ったエジプトでの旅行
記。「水晶のピラミッド」で単なる殺人事件に留まらず、ピラ
ミッドという古代からのミステリに挑んだ島田荘司の取材旅行
の様子がつづられています。シリーズものの探偵、御手洗潔は
かなりの国際派ですが、この旅行記を読んでいると作者がかぶ
ります。
 エジプトの地で様々な人と出会い、日本人というものを考え
る作者。その感情は「日本人らしくないと言われて嬉しかっ
た」という文章に凝縮されているようです。
 さて、後半はパリダカの観戦紀。
 三菱のドライバー、篠塚建次郎の取材を中心にパリダカの運
営事情や当時の国際情勢、現地の人との会話などを書いている
のですが、オリンピックなどと同様、内幕はかなり複雑。
 どんなスポーツにもルールがあり、それを決めるのが人間で
ある限り、真の平等はあり得ないというところでしょうか。
 しかし、このラリーの価値はおそらく勝つ事にはないので
しょう。完走することですらないかも知れません。このレース
は正にサバイバル。選手について回るプレスの人間でさえ、命
の保証はないのです。砂漠という土地であらゆるものを洗い流
された人々の記録が、ここにあります。

4月24日

 書感です。

「森博嗣のミステリィ工作室」
 森博嗣/メディアファクトリー
 定価:1300円
 初版:1999年3月18日
 ISBN4-88991-802-7

 ミステリィ作家、森博嗣のエッセイです。
 断っておくと、これは森博嗣ファンのための本で、同氏の作品を読んだことのない人にはあまりおもしろくないです。
 いや、この作者独特の言い回しや思考などは楽しめるかな?
 それはさておき、内容は著作のルーツとなった作品100冊の紹介と、自著、犀川&西之園シリーズと短編2冊、計12作品の解説。他に今まであちこちに書いたコラムや漫画(森博嗣は漫画研究会の出身)などなかなか豪華。
 森博嗣という人は、自分の作品にあとがきをつけないので、なかなか作者の人柄を伺い知ることが出来ません。読者の多くは犀川&西之園シリーズに出てくる大学助教授、犀川創平を同じく大学助教授である作者に重ねているはず。
 僕自身は「ミステリィ工作室」より後に出た森博嗣のエッセイ「すべてがEになる」を先に読んで作者と主人公の分離に成功していましたが、順番に読んでいる人にはこの本が最初の接近遭遇だと思います。
 自分的に一番面白かったのは、最初にあった森博嗣のルーツミステリィ100冊。ミステリィ作品ばかりではなく、萩尾望都の漫画や科学雑誌など紹介されているものは様々。そんなに本を読まないという作者ですが、僕自身は100冊も挙げるの難しいですね。余談ですが100冊のうち、僕が読んでいて内容もきっちり憶えているのはわずか19冊でした。
 自著解説は読んでみればまあ、当たり前の事が書いてあるのですが、執筆中の話題などが楽しめます。ネタバレのないようになってはいますが、12冊すべてを読了してから読んだ方がいいですね。
 さて、驚いたのは漫画作品です。「すべてがEになる」で作者が漫画研究会にいたことは知っていたし、イラストを器用に書くということもわかっていましたが、収録されている作品は素人のレベルではないです。絵柄は少女漫画と言うより、女性向けという感じで、萩尾望都の影響が感じられます。内容はちょっと難解。いろいろと解釈ができます。
 なるほど、森作品のルーツはここにあるのか、と思いながら読みました。最初は多才な人だなと思ったのですが、よく考えてみれば根本はすべて一緒。表現方法をたくさん知っているというところでしょうか。
 ファンにとってはなかなか内容の濃い一冊でした。

4月25日

 最近、ついに書籍の整理に踏み切りました。
 今のアパートに移って2年、書籍がたまりにたまって、押入などのスペースを占拠してしまっているので、いいかげんなんとかしようと思い、まずコミックから古本屋に持っていったんです。
 1冊30円がいいところだろうと思っていたのですが、100円〜300円で売れる本もけっこうあり、意外な収入に。
 そこで、もう読まないだろうと思われるものはすべて処分することに決定。この2週間で300冊くらいは売っただろうと思われます。この合計が3万円近いです。
 自分でもびっくりです。保存状態も悪くなかったので、値引きなどもほとんどされませんでした。
 しかし、コミックってけっこう高く売れるものですね。古本屋でも小説よりコミックの方が高く売っています。どうもその値段を見ると小説の方は大した値段では売れなさそうです。場合によっては図書館などに寄付した方が良いかも知れません。
 僕は漫画雑誌を読まないので、買う物は勧められたものか書店で目を引いたもののどちらか。ほとんど外したことはないのですが、それでも読み返すものってごくわずかです。
 結局、手元に残したのは貸してでも読んで欲しいものだけでした。
 お店でコミックスの買い取り表などを見ていると、人気のものなどは250円で買ってくれるらしく、読んだらすぐに売ってしまうのも手かな、と思いました。なにしろ、本が置けるスペースは有限ですからね。最初は完結していない作品は売らないという方針でしたが、250円の値段を見てあっさり覆し「あずみ」や「からくりサーカス」は売ってしまいました。
 最近は、読みたくなったらまんが喫茶にでも行けば読めますからね。
 あと、意外に高く売れるのがゲームの攻略本です。これは普通の古本屋だと1冊50円とかで買いたたかれてしまいますが、中古ゲームソフトのお店なら定価の30〜50%で買ってくれたりします。最近はあまりゲームをやっていないのですが、数年の間に20冊ほどになっていてこれは6000円に。
 そんなわけでかなり部屋がすっきりしています。
 収納術もいろいろと模索したのですが、結局のところ本棚は高いのでやめました。段ボールに詰めて押入にいれるなら、売ってしまっても同じですしね。
 まあ、空いたスペースにはやはりぎっしりと本が詰まるんでしょうけど(笑)

4月26日

 書感です。

「バガボンド」
 井上雄彦/講談社
 定価:533円
 初版:1999年3月23日
 ISBN4-06-328619-3

 すごい作品に出会いました。
「スラムダンク」で有名な井上雄彦の作品です。
 この作者は、とにかくじかんというものをうまく描きますね。「スラムダンク」でもわずか数秒の動きの流れを緻密に、大迫力で描いていましたが、バガボンドの迫力はまた格別。
 スポーツにはない命のやりとりを描くのにその筆力の全てをつぎ込んでいるという印象です。
 原作は吉川英治の「宮本武蔵」
 あまりに有名な作品ですが、バガボンドはストーリーラインをなぞってはいるものの独自の解釈でキャラクターを作り、魅力的な世界に仕上げています。
 自分の持つ凶暴さが人を遠ざけてしまう武蔵は、その凶暴さを強さと思っていたが、世の中はいくらでも強い人間が存在するということを知って本当の強さを求め始める。
 剣の強さというのは、突き詰めれば相手を殺せるかどうか。
 相手を殺してしまうことに何の意味があるのか、それを求めてどうなるのか。武蔵の疑問は尽きない。まだ物語は6巻ですが、ライバルと言える人間はすでに何人も出てきています。
 京都の吉岡道場、槍の宝蔵院、そして巌流島で戦うことになる佐々木小次郎の名前もすでに。
 武蔵がその全員にうち勝つことは誰もが知っています。しかし、現時点での武蔵にとても勝ちは見えません。
 何かを乗り越え、強くなったと思っても、すぐにその「強さ」はうち砕かれてしまう。少しずつ強くなっていくのが少年漫画は王道でしょうが、この物語はとにかくそれが行きつ戻り津という感じです。
 さて、もう一つ気になるのが、武蔵の幼なじみ、又八の存在です。友に戦に臨んで敗走した彼は、途中で武蔵を見捨てて逃げ出すことになります。又八が恐れるのは自分の弱さでなく、武蔵の持つ「強さ」なのですが、読者から見れば武蔵も又八もそんなに大きく変わるわけではないのです。
 逃げてばかりだった又八の人生も、最新刊では上向きになる気配が見えています。
 武蔵と又八の二人が、いったいどこで相見えることになるのか、想像しながらこれからの展開を楽しめそうです。

4月27日

 血液型性格判断ってありますよね。僕はあれが大嫌いなんですよ。うちの母は何故か血液型で人をどうこう言うのが好きで僕が小さい頃から「○○はA型だから」とか「○○は典型的なO型」とかよく言ってました。
 血液型性格判断って要は星座占いなんかと同じで大した根拠はないわけです。とりあえずネットで検索して調べてみたら、戦前の心理学会で血液型と性格の関連性について調べようという動きがあったとか。現在の性格判断というのは、そのころの統計調査で「○型にはこういう傾向がある」とまとめたものが民間に普及したものらしいです。この普及度合いってすごいですよね。芸能人などの個人データにはたいてい血液型が書かれていますが、これは輸血の役に立てようと言うわけではないでしょう。
 統計学って一つの学問になっていますが、難しいのは統計結果の解釈ですね。結局、解釈する側の主観が入って都合の良い解釈が入り「統計的にこういう結果」と言われるとそれが事実のような気になってしまいます。これは世論調査などでもそうですね。また、調査の仕方や母集団によっても異なる結果が出てしまいます。
 現在では血液型性格診断が性格に与える影響を研究している人もいます。小さい頃から血液型性格判断を植え付けられると本当にそういう性格になってしまう人や、逆に自分の性格から血液型を勝手に判断している人などもいるようです。
 血液型性格判断じゃ少なくとも根拠に乏しいことに間違いはないですが、学問において、○○がないと証明することは○○があると証明するよりも難しいので、一概に間違っているとは言えません。
 ここまであまりに一般的に言われるとなかなかなくならないでしょうね。お遊びで済んでいるうちはいいですが、AB型の人などには「やっぱりAB型?」と言われると嫌な気分になるという人もいます。
 僕も占いの範囲では別にいいんですけどね。僕は辰年、獅子座、A型、動物占いなら狼です。雑誌の「今月の占い」なども一応目を通して「ふ〜ん」と思ってます。
 が、A型だと思っていたとか獅子座っぽいとか言われるのはあんまりいい気分じゃないですね。要は分類されるのが嫌いなんだと思います。
 不思議なもので、人に言われるのは嫌でもコンピューター占いなどは気にならないんですよね。人に言われるときって、その人が自分を「A型」とか「獅子座」とかと認識しているのが嫌なのでしょう。
 まあ、単なる好き嫌いなんですけどね(笑)

4月28日

 図書館でやっとポオ文学全集を借りて読み始めたのですが、
久しぶりの海外作品ということもあってこれが読みにくいこと
はなはだしいです。
 活字が小さいってのもあるんですけどね。あと、短編集なの
で毎回、状況を把握しなければならないから大変。それほど文
章が難解って言うか、修辞が多くて具体的に何が起こっている
のか把握しにくい。
 さて、エドガー・アラン・ポオと言うと、それはもちろん推
理小説というジャンルを作ったというイメージが第一だったの
ですが、短編集のほとんどは幻想小説と言えるものです。
 さて、なぜ最初にこれが書感と言わないのか。
 それは、まだ読み終わっていないからです(笑)
 長時間読むとどうしても疲れるので、他の作家の作品を読み
ながら短編を一つずつクリアしています。考えてみれば、必死
に文章を追って本を読むっていうのは久々かも。
 エンターテインメントが悪いとはまったく思わないけど、読
みやすい作品ばかり読んでいるとそれに慣れてしまいますね。
 昔、「罪と罰」を途中まで読んであきらめたのが想い出され
ます。と、言ってもあれは僕的に面白くなかったと言うか、ス
トレスのたまる作品でしたからね。
 ポオの方はまだ最後まで何が起こるかというわくわく感が
あって読むことは出来ます。
 とりあえず、ポオを読み切ったらなんでも読めそうな気がす
るのでしばらく海外作品ブームが続くかも(笑)

4月29日

 書感です。

「人形館の殺人」
 綾辻行人/講談社文庫
 定価:560円
 初版:1993年5月15日
 ISBN4-06-185388-0

 館シリーズと言えば綾辻行人の代表作です。
 僕は「十角館の殺人」以外に綾辻作品を読んでいなかったのですが、あの1冊だけでも綾辻行人の魅力と言うか、すごさはそれなりにわかっていたつもりでした。
 しかし、この「人形館の殺人」を読んだら、まだまだ浅い部分しか知らなかったと言う事を思い知らされたのです。
 自殺した父の残した館に移り住んだ主人公の周りで発生する事件の数々。主人公の友人でこのシリーズの探偵、島田潔は事件解決に乗り出すのか?
 推理小説の魅力ってネタバレにならずに説明するのがなかなか難しいですよね。普通の小説ではだいたいの展開を予想しながらも細かい部分がわからず、それを知りたくて読むものだと思います。しかし、綾辻作品はどういうトリックであるかがわからないのではなく、それがトリックだったということがそもそもわからない。最後にきて驚愕するわけです。
「十角館の殺人」はアガサ・クリスティの「そして誰もいなくなった」に似た展開をたどり、読者にそれなりの結末を予想させながら、それをおとりに背後から斬るというところでしょうか。「人形館の殺人」の場合は最初に犯人を予想し、それが証明される過程を楽しんでいく……というスタイルにして読者を一安心させておきながら、意外にも物語は普通に展開してしまう。「あれ?」と感じ、綾辻行人もなかなか、とか考えているとやはり後ろから斬られてしまうんです。
 綾辻作品は推理小説ですが、既成のトリックにこだわらないものが多いです小説自体が一つのトリックと言っても良いでしょう。
 推理する楽しみ、騙される楽しみと推理小説にはいろいろな楽しみ方がありますが、これは騙される作品。本当に注意深い読者なら、綾辻の話法に惑わされず、物語の結末を見通すことが出来るかもしれません。
 そうなるともはや、作者との戦いですね。
 綾辻行人という作家は、あまりにも読者に対して挑戦的です。その不敵なところが大きな魅力となっています。
 その挑戦がフェアかどうかは、読者の判断によると思いますが、不利と承知で挑んでみたい。負けてもいいと、僕は思いますね。負ける爽快感を味わってください、この作品で。

4月30日

 さて、すっかりGWという感じですね。
 今日、ぶらっと新宿に行ったらSOFMAPの新宿店で、GW恒例の抽選会をやっていました。MOドライブが10000円とか、Pentiam3の750Mhzが9800円とかなかなかの値段。
 まあ、買えるのは抽選で当たった1名だけなんですけどね。
 僕もとりあえずCPUの抽選券をもらって、抽選会場にいたのですが、なんか少ないんですよ、人が。
 おそらく倍率は50倍もないです。GW中はずっとやっているキャンペーンらしいのでまた暇があったら行こうかなと思ってます。他の日にはMacのメモリとかも出るようですし。
 連休、長いところだと12連休くらいになるらしいですね。
 僕は残念ながら、1日、2日としっかり学校があります。
 休講となる授業もあるんですけど、朝から学校に行かなくちゃいけないなら結局、同じ事。
 この連休ですが、僕はまるで予定がないですね。GWはどこ行っても混んでいるし……っていうのは単なる言い訳で、お金があんまりなかっただけ(笑)
 ここのところ、学校やアルバイトでかなり忙しかったのでIEでゆっくりするのも良いでしょう。ゆっくり本でも読もうかと思ってます。
 話は変わるのですが、僕の母校(中学、高校)には大菩薩峠越え競歩大会というのがあります。毎年、全校生徒約2000人が山梨県と東京都の境にある大菩薩峠を徒歩で越えるのですが、なんと出発は夜中。懐中電灯で山道を照らしながら全行程訳30kmの道を歩きます。
 時々、OBとしてこれを手伝うのが恒例だったのですが、今年は大会が平日なので無理でした。残念。
 受験勉強で体力の無くなっている中学1年生なんかは、入ったとたんに散々な行事をやらされるものです。当然、僕も歩きましたが、つらいのなんの。山頂にたどり着くのが丁度、日の出くらいなのですが、日の出のきれいさや山頂に着いた喜びよりも「まだ半分?」という脱力感が強かった事を今でもはっきりと憶えています。
 みなさんはGWをいかがお過ごしでしょうか。
 充実した時間が過ごせるといいですね。


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