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4月29日から5月1日の読書と生活 #0696
■サッカー 日本VSスロバキア

 ワールドカップに向けて盛り上がる日本代表戦。これから試合が続きますね。今回はキリンカップで、三カ国で試合をして優勝も何も……毎年思いますが、もうそんなことはどうでもいいくらい楽しみにしてました。試合前に驚くようなスタメンを見せると言ったトルシエ監督ですが、メンバーは予想と大きく違いませんでした。しかし始まってみるといつもはトップの柳沢が右サイド中盤に陣取っています。結論から言うとなんでこの位置だったのかイマイチわかりませんでした。活躍もそれほどではありませんでしたしね。
 良かったのは中村俊輔。何本も決定的なパスを供給していましたが、これを決められなかったのはちょっと痛いです。結局試合は西澤の1得点で勝利しましたが、内容的には圧勝だっただけにきっちり結果に反映させて欲しかったですね。次は5月2日のホンジュラス戦ですが、トルシエ監督もそろそろ本気の日本代表を見せて欲しいものです。
(2002/04/30)

■書感『マジックミラー』
 著者:有栖川有栖
 出版:講談社文庫
 定価:590円
 初版:1993年5月
 関連:有栖川有栖

 久々の有栖川有栖ミステリ。
 山奥の別荘で殺された女性には多額の保険金がかけられていた。しかし、受取人の夫は当日、出張中で完璧なアリバイがある。被害者の元恋人、推理作家の空知は独自にそのアリバイを崩そうと思考を巡らせる……。
 現在はミステリと言えば密室に比重が移っているかも知れませんが、アリバイトリックでもまた、数多くの作品が書かれていますね。僕自身はあまりアリバイトリックを読まないのですが、今回は有栖川有栖にアリバイトリックを堪能させてもらった気分です。
 被害者の夫は一卵性双生児で、うり二つの兄弟がいます。もういかにもトリックを使っていますという設定ですね。登場する刑事や空知、そして途中から出てくる私立探偵も当然のように疑い、そしてアリバイを崩せずに四苦八苦します。
 途中、推理作家である空知によるアリバイトリック論などもあり、作品そのものがアリバイトリックの先駆者である鮎川哲也に捧げたオマージュだとも取れます。
 この有栖川有栖作品全般に言える事ですが、この『マジックミラー』も繊細な語り口調でトリックやストーリー自体に際だったものがあるわけではありません。そうでありながら最初から最後まで一気に読ませる力があり、あっと言わせるだけのラストと胸に残る悲しみを備えた作品に仕上げています。
 これこそ有栖川有栖がミステリの王道を書いているという何よりの証拠なのでしょう。
(2002/05/01)

5月2日から3日の読書と生活 #0697
■サッカー日本VSホンジュラス

 ホンジュラスってあまり知られていない国ですよね。
 僕は中米の国だという事しか知りませんでしたが、サッカーがきっかけでエルサルバドルと国交断絶をしたうえに戦争になったという過激なサッカー熱を持つ国のようです。
 しかも、今回のキリンカップに当たって海外メンバーを呼び戻したとのこと。ワールドカップに出場していない国はモチベーションが下がっていると思っていたこの次期に、本気で試合をしてくれるというのはありがたいですね。
 しかし、日本はその本気のホンジュラスを相手になんと前半だけで3失点。中村のフリーキックを相手キーパーがファンブルした1点と、中村がコーナーキックを直接ゴールに決めた1点に後半取ったPKを加え、1点取られるごとに追いついたという点では頼もしいですが、これからのヨーロッパ遠征を考えるとなかなか怖いですね。いくつも決定的なチャンスがあったのにシュートが入らないのも不安です。
 中村はかなり調子が良いようで、最終メンバーにも残ってほしいところ。ヨーロッパ遠征では中田と小野も合流するのでその点は楽しみです。
(2002/05/02)

■連休

 5月3日は大学時代の友人と出かけてきました。
 ゴールデンウィークでどこもすごい人かと思いましたがまあ、普通の混雑。今回行ったのはお台場にあるトヨタの巨大書ルーム、メガウェブです。トヨタの全車種があるというだけあってかなりの広さ。なんとショールームの周囲に全長1キロ以上のコースがあって試乗もできます。
 普段はディーラーに行ってもなかなか見られない高級車種、セルシオやソアラの運転席に座って見たり、ランドクルーザーのV8エンジンを眺めたりしてなかなか充実した時間を過ごしました。新車購入の際にはあまりトヨタ車に興味なかったのですが、エスティマなんまスタイルいいですね。しかし、予算の範囲外です。セルシオは乗り込んだだけでわかるサスペンションの柔らかさが印象的でしたが、曲がりにくそう。ヨーロッパで人気のハイラックスのピックアップトラックを見たら、シャーシに太いパイプが通っていて質実剛健な感じでした。
 他のメーカーでもこれだけ大規模なショールームがあったら見に行きたいですね。モーターショー気分でした。
 その後はやはりお台場にある日本未来科学館へ行きました。。様々な科学技術をわかりやすく解説した施設で、大人でも十分に楽しめます。
 小学生にはちょっと説明が難しいかも知れませんが、ボランティアの方が懇切丁寧に教えてくれるので大丈夫。
 さて、ここに行った主目的はホンダの二足歩行ロボット、ASIMOを見るためです。デモンストレーションの時間には子供を中心にすごい数の人が集まっていました。これまでテレビでは何度も見ていましたが、本物を見るとその動きのなめらかさに改めてびっくりです。想像以上でした。
 ゆりかもめで行くお台場って生活のにおいのまったくしないところですが、その未来っぽさは昔の漫画みたいで面白いですね。充実した一日でした。
(2002/05/03)

5月4日から7日の読書と生活 #0698
■帰還
 シフトレバーが甘く、きっちりRやPに入らないという現象が出たためにディーラーに出していたリバティが帰ってきました。ディーラーの工場長の方に聞いたところ、シフトレバーを所定の位置に引き留めるバネが弱く、中途半端な位置で止まってしまっていたと言うことで、その部分を交換したようです。
 試してみたらずいぶん硬くなっていて、まるで別なメカニズムのようでしたが、交換したバネも部品番号は同じとのこと。
 と、するとバネの生産過程でずいぶんと強さに差がでる事になります。取り付け方などにもよるのかも知れませんけどね。
 リバティ全体のシフトレバーがまずいのかと心配していたので一安心しました。
 で、久々に自分のリバティで走ってみたらディーラーから借りていたものより走り易かったです。ディーラーのものはブレーキとアクセルが甘く、ある程度まで踏むと急に効き出すのでなんとなく加速や減速がいいような気がしていただけのようです。同じ車でもずいぶんと違うものなのですね。
 帰ってきた車の方は大事に乗っていきたいと思います。
(2002/05/04)

■書感『奪取 上』
 著者:真保裕一
 出版:講談社文庫
 定価:714円
 初版:1999年5月15日
 関連:真保裕一

 真保裕一、やめられなくてどんどん読んでしまいます。
 しかし、この人は1年に1冊ペースなのでこのままではあっという間に読み尽くしてしまいそうです。
 これまでの作品でもっとも面白いと言われるこの『奪取』はこれまでとはまた趣の違う作品でした。
 親友、雅人の借金を返すため、主人公、手塚道郎は機械とコンピューターに関する知識を武器に、カラープリンターとパソコンで機械だけを騙す偽札作りを目論む。空前のゲームに興奮する二人だったが、事態は思わぬ方向へ進んでいく……。
『奪取』は文庫で上下巻。どちらも500ページを越える大作です。上巻の目次をめくるとプロローグとエピローグ、インターミッションを挟んで「手塚道郎編」「保坂仁志編」「鶴見良輔篇」と続いていきます。
 スタンガンで自動販売機から釣り銭を盗んだりという軽犯罪を繰り返して生きている手塚道郎は重大犯罪だという事を知りながら、ゲームを楽しむかのように障害を一つずつクリアしていきます。ユーモアのこもった会話とこれまでの真保裕一にはあまりなかった能天気な雰囲気にだんだん惹かれていった人は誰もが彼らの行く末を心配するでしょう。第二部「保坂仁志編」に入ったら彼らはどうなってしまうのか?
 話はまだまだ前半、彼らがすんなり成功してしまうとはとても思えません。
 しかし、後になればこの構成はそんな読者を十分に意識しての事だと思い知らされます。読み手を意識してこそ、エンターテインメント。さすが真保裕一です。
 さて、ここで興味を持った方は次に紹介する予定の『奪取 下』の書感を読む前に作品を読みましょう!
(2002/05/07)

5月8日から9日の読書と生活 #0699
■サッカー 日本VSレアルマドリード

 クラブチーム世界ナンバー1とも言われた事もあるスペインのレアルマドリードと期待の日本代表。こんなに楽しみな試合はそうないでしょう。ジダンなど各国代表選手は出てこないという事前情報はありましたら、それでもこういったチームの層の厚さは並大抵ではありません。この試合、朝4時からでしたがもちろん早起きして見ました。
 試合が始まってみると天気は雨。グラウンド状態がとにかくひどく、ショートパスが短くなってしまうばかりか蹴ってすぐに水たまりでストップするなど、コンディションの悪さが目立っていました。また、今回の日本代表メンバーもゲームメーカー不在で試合の展開がイマイチな感じ。ロベルト・カルロスのフリーキックの際にオフサイドトラップの失敗で失点してしまい、その後も不毛なボールの蹴りあいとなっていました。
 後半になると徐々にペースを取り戻し、シュートを打っていく場面もありましたが、決定的なチャンスを外したりと結局は奮わず、1-0で敗北しました。
 せっかくの試合なのに雨でかなり残念でした。負けるにしてもレアルのレベルに対してどれだけ食いついていけるか見たかったです。
(2002/05/08)

■書感『奪取 下』
 著者:真保裕一
 出版:講談社文庫
 定価:714円
 初版:1999年5月15日
 関連:真保裕一

 テンポよく難題をクリアしていった序盤と一転して手塚道郎に訪れる危機。しかし、助けに入った印刷工の水田紘一に助けられ、道郎は九死に一生を得ます。自分では緻密に計画を進めていたつもりでも、ヤクザや元犯罪者の水田の目はごまかせず、自分の甘さを知った手塚は、保坂仁志と名前を変え、水田と共に完璧な偽札という新たな目標に乗り出す……というのが第二部「手塚道郎編」の展開。

 第一章では機械だけが相手でしたが、今度は人間の手や目も騙す本当の偽札が目標なだけに、紙やインク、印刷技術など様々な知識が溢れるように出て来ます。元々、真保裕一は入念な下調べを元に小説を書く人ですが、エンターテインメント性の強いこの『奪取』でもそれはまったく変わりません。
 そして、ここに来てようやく、この物語の章題の意味するところがわかってきます。しかし、そうなると第三部の「鶴見良輔編」が気になり出します。ヤクザから身を隠して印刷会社に就職し、水田という師匠も得て、順調に見える保坂仁志の毎日にもやがて破滅が訪れるのだろうか……と思うのは当然でしょう。そうなるともう、途中で止める事ができません。
 偽札作りという究極の犯罪に挑む保坂仁志の前に、再び悲劇はやってきます。そして5年の歳月を経てやってくる「鶴見良輔編」はそれまでと雰囲気が一転し、コンゲーム小説の色合いが濃くなります。偽札を武器に、強大な「敵」を騙そうと奔走する良輔達の姿にはまた「手塚道郎編」に通じる明るさが戻っています。
 登場キャラクターの性格造形などはあまり深くないかも知れませんが、物語の中に6年という歳月の流れを感じさせながらも軽快でユーモアのある口調でテンポ良く最後まで読ませてくれるこの小説は、すばらしいエンターテインメントでした。
(2002/05/09)

5月10日から11日の読書と生活 #0700
■書感『蒼天の拳』3巻
 作者:原哲夫
 出版:新潮社バンチコミックス
 定価:505円
 初版:2002年5月15日
 関連:原哲夫

 コミックの帯に190万部突破と書かれていました。
 当初、本当に売れるのかどうかちょっと心配だったコミックバンチですが、なかなかの人気のようです。

 かつての朋友、潘光淋が生きていると聞いた拳志郎はその居場所を聞き出すため、紅華会の呉を狙う。だが、呉は上海に戻ってきた閻王こと拳志郎に対抗するため、北斗孫家拳の使い手、霊王を呼び出していた……。

 圧倒的な強さを誇る拳志郎の相手をするのに、上海のヤクザではいかにも力不足。他にもムエタイの達人や拳法使いなどが出てきてはいますが、北斗神拳の前には手も足も出ていません。しかし、ここにきてついにライバル登場です。三国志の時代、魏呉蜀の三国に別れて伝わったという北斗神拳。今回登場したのは孫家ですが、劉家、曹家も出てくるのでしょうか。
 秘孔から気を送り込み、人間の身体を自在にする北斗神拳に対し、北斗孫家拳は自分と相手の気を操る拳法。超人的な力を持つ二人が戦えばどちらも無事では済まなさそうです。
 原哲夫独特の人を喰った台詞はあいかわらずですが、朋友のためには涙を流す拳志郎の姿もいいですね。
 実は『北斗の拳』の方を全巻きちんと読んでいないので、文庫で欲しいと思っている今日この頃でした。
(2002/05/10)

■書感『われはロボット』
 著者:アイザック・アシモフ
 訳者:小尾芙佐
 出版:ハヤカワ文庫SF
 定価:600円
 関連:アイザック・アシモフ

 これこそがアシモフの誇るロボット史シリーズの最初となる作品です。原題は『I,ROBOT』とあり、『私はロボット』と訳されなかったのも頷けます。
 恐ろしい事に、第一作のこの本からしてすでにアシモフは完成の域にあると言えます。
 形式はアシモフの得意な連作短編集で、近未来、自我を持ったロボットが人の代わりに労働をする社会を舞台に、そこで起こる様々な事件を描きます。
 さて、アシモフと言えば有名なのはロボット三原則。
 要約すると
第一条 ロボットは人間に危害をおよぼしてはならない
第二条 人間に服従しなければならない
第三条 自分の身を守らなければならない
 という事になります。そして第二条は第三条に優先し、第一条は第二条と三条に優先します。
 すべての作品はこのロボット三原則に関わるもので、その解釈や効果を巡って様々な議論が展開されます。登場するロボットが置かれた状況や時代と共に移り変わるロボットの社会的な地位などが密接に関係し、思いも寄らない結末が語られます。
 ある意味、アシモフは創作した世界の法則や、実際の自然法則を使ったミステリ小説を書いていると言えるかも知れません。ここに登場するロボットはただのコンピューターや機械とは違います。ロボット独特の思考と感情を持ち、ロボット三原則に基づいて生きる新種の生物なのです。
 ロボットの創世記を生きたロボット心理学者スーザン・キャルヴィンは物語の最後でロボットによる人間社会の変革を予測し、去っていきます。アシモフが描いたロボットとは結局、理想の人間とほとんど変わりません。そんなロボットに対し、人間達はどのような感情を抱き、どう変化していくのか。
 アシモフの未来史は単なる科学の発展した未来に留まらず、それに伴う人間と社会の変化も含めて続いていくのです。
(2002/05/11)

5月13日の読書と生活 #0701
■書感『女には向かない職業』
 著者:P.D.ジェイムズ
 出版:ハヤカワ文庫
 定価:640円
 初版:1987年9月

 P.D.ジェイムズはイギリスの女流ミステリ作家。実は他の作品などはほとんど知らないのですが、このタイトルはけっこう有名です。やはり作品のタイトルは重要です。ハードボイルドっぽい響きですよね。

 病気を苦に自殺した共同経営者から探偵事務所を受け継いだコーデリア・グレイは、高名な科学者から息子の自殺の原因を探って欲しいと依頼を受ける。
 行く先々で探偵業は「女には向かない職業」と言われながら、彼女は意外な結末にたどり着く……。

 コーデリアは若干22歳の女探偵。類い希な頭脳の持ち主ではありますが、母を亡くし変わり者の父と放浪の生活を送っていたため、あまり世間を知りません。どんなときも冷静でに人を観察し、感情を表に出さずに捜査を続けていきますが、実は豊かな感受性を持っており、様々なものに傷つけられながら生きています。
 自殺したマーク・カレンダーやその友人たち、死んだ共同経営者やその元上司など、登場する人物たちの印象はすべてコーデリアの目を通して書かれており、その観察を通して彼女の内面を推し量る事ができますが、どれだけ明晰な頭脳を持っていても割り切れない部分があり、その世間知らずな面も顔を出しています。
 さて、何故職業探偵は「女に向かない」のでしょうか?
 危険があるから、世間の嫌な面に直面しなければならないから、体力が必要だから……と、様々な理由が思いつきますが、結局コーデリアは精神、肉体的の両面でそういったものを一つ一つ乗り越えていきます。
 そして、この物語の結末は女探偵だからこそのものだと言えるでしょう。
 重厚な文体と克明な描写は海外作品を読み慣れていないとかなり読む気を喪失させるかも知れませんが、ハードボイルドタッチな本格的探偵小説としては味わいが深いです。
 著者は寡作なため、未熟で世間知らずなコーデリアの活躍はあまりシリーズとして語られていないようですが、この主人公はいつまでも未熟なままの方が魅力的なのかも知れません。
(2002/05/13)


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